働き方の多様化が進む日本において、社員が快適にのびのびと働ける職場環境の整備は、多くの企業が取り組んでいる課題です。
オフィスに最新の設備を導入することで業務を効率化したり、内装に手を加えることでフリーアドレスや休憩スペースを導入したりする企業も多いですが、工事が大掛かりになればなるほど、そこで働く社員に少なからず規制を強いることになってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、オフィスを移転するタイミングでの「リノベーション」です。新しいオフィスを契約して引越しするまでの間に、内装工事を行う期間を設けることで、集中して業務に取り組みつつも、新しい職場環境の導入も叶います。
入居のタイミングや内装工事のスケジュールは、ビルのオーナーとの入念な打ち合わせが必要です。不動産会社経由でオフィス移転をするのもいいですが、オーナーと直接打ち合わせ・契約ができる【cocosy】も上手に活用するのをおすすめします。
オフィスの「リノベ―ション」とは、建物の機能を「再生」し、オフィス全体の価値を高めることを指します。「リフォーム」と混同されがちな言葉ですが、リフォームは新築時に建物が持っていた性能やデザインを「回復」させるために行う工事です。オフィスの価値を高めることを目的としているかどうかが、「リノベーション」と「リフォーム」の大きな違いです。
以前までは、タイルカーペットに島状に置かれたデスク、キャビネットに複合機と、いわゆる「オフィス家具」を配置するだけのオフィス環境が一般的でした。オフィスのリノベーションでは、そうした従来のオフィスの形に手を加え、社員のワークスタイルに合わせた間取りや内外装を取り入れることで、仕事環境をワンランクアップさせることが可能です。
オフィスをリノベーションすることには多くのメリットがありますが、多くの企業が「業務効率化」「経費削減」「企業のイメージアップ」を目的として、オフィスの移転時にリノベ―ションを行います。
社員の働き方に合わせたレイアウトを作れるということは、オフィスを移転する際にリノベーションを行う大きなメリットです。ソロワークのためのスペース以外にも、ゆったりした雰囲気で打ち合わせができるミーティングスペース、カフェのようなリッチな空間で息抜きできるリフレッシュルームなどを取り入れることが可能。作業時間とリフレッシュの時間にメリハリがつくことで、日々の業務効率が上がるという点は、リノベーションを検討している多くの企業が注目するポイントです。
また、ハイテーブルやソファー席を設けることで、社員同士が気軽にコミュニケーションをとれるようにもできます。コミュニケーションが活発になることで業務の生産性が上がるだけでなく、新しいアイディアが生まれるきっかけにもなるでしょう。
意外に思われる方も多いかもしれませんが、オフィス入居時にリノベーションを行うことで、その後の経費を削減できる可能性があります。見直すポイントは「照明」「床・壁・天井」です。
オフィスを契約したときの照明が蛍光灯だった場合は、LEDに変更するだけでも電気代をカットできますし室内に壁があることで空調効率が下がっている場合は壁を撤去したり、西日があたる場所がある場合は逆に間仕切りを置いたりするのもおすすめ。床・壁・天井の素材によっても空調効率が変わってくるため、こだわることで電気代の削減につなげることが可能になります。
近年、オフィスは単なる仕事場ではなく、企業のイメージやブランド・コンセプトを表現するためのツールとしても考えられるようになりました。オフィスをリノベーションし、企業のブランドイメージを反映したレイアウトやデザインにすることで、オフィスを訪れた人に好印象を抱いてもらえるようになります。
また、おしゃれにリノベーションされたオフィスは、求職者に対しても会社の雰囲気を伝える重要な役割を果たします。作業に集中できるワークスペースや、社員同士がコミュニケーションをとりやすいラウンジなどをアピールすることで、優秀な人材を確保できる可能性も高まるでしょう。
オフィスのリノベーションには、「フルリノベーション」と「ポイントリノベーション」の2つのパターンがあります。かかる費用や工事期間が異なるため、それぞれ見ていきましょう。
オフィス全体を改装することを「フルリノベーション」と呼びます。床・壁・天井を張り替えるほか、不要な壁を撤去したり、OAフロア(床下にインターネットの配線を組み込んだ床)を導入したりと大掛かりに工事を行うため、高い費用と長い工期が必要になります。特に築年数の古いオフィスに移転する場合や、室内全体のイメージをガラッと変えたい場合には、フルリノベーションで全体を一からレイアウトする方法が適しています。
費用は工事内容や使用する素材で変動しますが、1坪あたり30~40万円程度、工期は1~2ヵ月程度を見ておきましょう。
「ポイントリノベーション」は、オフィス内の必要な箇所だけをリノベーションする方法です。移転先のオフィスで一部分だけ老朽化している場合や、オフィス全体の雰囲気を左右する、面積の大きな部分のみ手を加えたい場合などに適しています。
ポイントリノベーションにかかる費用は、1坪あたり10万円程度、工期は数日~2週間程度です。什器や既存設備とかかわりの少ない箇所の工事であれば、引っ越しをして業務を開始した後に着工することもできます。その場合は従業員が作業を行えるスペースの確保や、騒音の発生する工事を行う時間帯の調整が必要になるため、工事業者と事前に打ち合わせしておくことをおすすめします。
ただやみくもに室内全体をおしゃれにしたり、最新機器を導入するだけでは、オフィスリノベーションのメリットを生かせない可能性があります。ここではリノベーションの効果を最大限に実感できるポイントを、3つ厳選してご紹介します。
来客の際に最初に目に入るエントランスは、企業の雰囲気やブランドイメージを印象付ける重要なポイント。コーポレートカラーをデザインの中心にしたり、観葉植物を取り入れて親しみやすさをプラスしたりと、「どのようなイメージを持ってもらいたいか」に合わせてデザインしましょう。
特に初めて訪れる企業の方や採用候補の方にとって、第一印象は非常に重要です。
使用する床材や壁シートの素材、受付台の形状やサイン表示などに留まらず、照明の当て方1つで来訪者が受ける印象がガラッと変わることも少なくありません。費用を抑えつつ、企業イメージの定着を目指すのであれば、エントランスにとことんこだわることをおすすめします。
あまり多くの費用はかけずに、オフィス全体の雰囲気を一新したい場合には、床の仕様にこだわってみるのがおすすめです。
オフィスの移転のためには、新しいオフィスを契約するための費用だけでなく、引っ越し代や不用品処分費用、什器の買い替え費用など、多くの資金が必要になります。そこにさらに間取りの変更などを追加すると、費用もその分膨らんでしまいますが、リノベーションするポイントを床に絞ることで、コストを抑えつつオフィスの雰囲気を大きく変えることが可能になります。
一般的なオフィスでは、ブルーやグレーなどのタイルカーペット一色で統一されていることがほとんど。部屋の使用用途に合わせて色を変えてみたり、毛並みの種類にこだわって高級感を出してみたりと、好みに合わせて梁わけができます。タイルカーペットには防音効果があるのも大きな特徴です。
フローリングや大理石といった天然素材を使用した床は、音を吸収するタイルカーペットとは対照的に、硬い素材が音を反響させるという特徴を持ちます。音が反響することで空間に奥行きが生まれ、オフィスに開放感が生まれるという点が魅力です。
業務効率をアップさせるためには、作業時間と休憩時間にメリハリをつけることも重要です。
以前までのオフィス環境は、自分に割り振られた席に毎日座り、出勤から退社まで同じスペースで作業するのが一般的でした。別室に休憩室が設けられていても、リフレッシュできる環境が整っていることは多くありませんでした。
近年ではそういった 「働くと疲れる」オフィス環境を見直すために、ゆったりと休憩したり、社員同士の昼食時に気軽に使用できる、ラウンジや休憩スペースを導入する企業が増えています。さらに、自分の働き方やその日の気分に合わせて、働く環境を選べる「オフィスラウンジ」を採用する企業もあります。
「足を運びたくなるオフィス」を目指せるのも、オフィスをリノベーションする大きなメリットです。
作業場所の充実や社員同士のコミュニケーション活性化を目指すには、オフィス移転は最適なタイミングでもあります。オフィスのリノベーションのメリットを実感するために、注意すべき点も押さえておきましょう。
リノベーションの効果を最大限に発揮するためには、あらかじめ自社の課題やリノベーションの目的を明確にしておくことが重要です。
社員のソロワークのスペースを増やしたいのであれば、一人掛け用のソファー席を設けたカフェのような空間が適しているかもしれませんし、社員同士が気兼ねなくコミュニケーションをとれる空間にしたいのであれば、大きなテーブルを椅子で囲んだエリアや、ハイテーブルを採用したバーカウンターが求められるかもしれません。
スピード感のある活発な社風をアピールしたいのか、親しみが持てて温かみのある企業イメージを定着させたいかによっても、リノベーションの箇所や内容も異なります。
今自社が抱えている問題は何か、社員が不便に感じている部分はどこかに着目し、それらを解決に導くためのリノベーションプランを立てるようにしましょう。
オフィス移転のタイミングでリノベーションを行う場合、リノベーションにかかる費用や工期を必ず確認しておきましょう。
リノベーションにかかる費用や工期は、リノベーションの箇所や使用する素材だけでなく、移転先の条件(配線や配管の状況、工事を行える曜日や時間帯等)によっても大きく変動します。さらに、新しいオフィスでリノベーションの工事を開始できるのは、賃貸借契約が開始してからのため、旧オフィスからの引っ越し作業は、工事開始から数か月後になる場合もあります。
オフィスの移転においては、旧オフィスの解約のタイミングと、新オフィスに入居できるタイミングを合わせる必要があります。タイミングのすり合わせが不十分だと、業務に支障が出てしまうことになりかねません。
ビルオーナーと直接やりとりできる【cocosy】を利用してオフィス移転をすることで、入居までの日程や工事スケジュールもスムーズに打ち合わせが可能になります。
賃貸オフィスには工事の際に手を加えてはいけない部分があるため、リノベーションできる範囲を事前に確認しておく必要があります。
建築基準法上の規定で改装できない部分や、消防法の規定で設置・確保しなくてはいけないもの(火災報知機・避難経路など)もあるため、必ず貸主やビルの管理会社に確認しておくようにしましょう。
また、賃貸オフィスの場合は、退去する際に原状回復工事が必要になります。リノベーションのために壁や設備を撤去した場合は、退去時に元に戻さなくてはならないため、退去時に時間がかかります。新しいオフィスでリノベーションを行う場合は、どこまで原状回復工事を行うべきかをオーナーに確認しておくことを忘れないようにしましょう。
働き方改革の推進により、快適で働きやすい職場環境を目指してリノベーションを行う企業は、今後も増えていくことでしょう。
自社が抱える課題や問題点から、リノベーションの目的を明確にすることで、「働きたくなる職場環境」を作り上げることが可能になります。
オフィスをリノベーションする際には、ビルオーナーに物件の詳細を問い合わせたり工事スケジュールを調整したりと、何かと細かいやり取りが発生します。
ビルオーナーと直接やりとりできる【cocosy】を活用してオフィス移転をすることで、不動産会社を通さずスムーズにリノベーションを進めることが可能です。自社にぴったりのオフィスを作りたいと思ったら、是非一度【cocosy】のサービスをお試しください。