移転先のオフィスを決定する際に欠かせないのが内見です。オフィス移転時に知っておきたい内見時のチェックポイントと、希望の移転先オフィスを見つけるコツを知っておきましょう。
そもそもなぜ移転先オフィスを決める際に、内見を重要視する必要があるのでしょうか。
その理由は、実際に現地に足を運んで目で見なければ把握できないことが多くあるためです。賃貸マンションの内見の場合、日当たりはどうか・水廻りの設備はどうか・生活環境はどうかといったポイントを見るということをイメージできるという方も多いと思いますが、賃貸オフィスの内見では賃貸マンションとは異なる点に着目する必要があります。チェックポイントを押さえておかなければ、いざ入居した時に想像していたオフィス環境を作ることが難しくなる可能性も否定できません。
物件情報を探すだけであれば、インターネットの不動産ポータルサイトで検索したり、不動産仲介会社からの情報を比較するだけで足りるかもしれません。しかしホームページや紙で見たときのオフィスの印象と、実際に見たときの印象が大きく異なることは少なくありません。
例えば図面では使いやすい形のオフィスだと思っても、内見してみると人数に対して狭く感じたり、天井に大きな梁があって搬入したいキャビネットが入らなかったりといったこともあります。また主要な駅が最寄りのビルであっても、人通りが少なく分かりにくい場所にあると、顧客が訪れにくくビジネスに影響が出てしまう可能性もあるのです。
移転後に想定しているオフィスの使用用途や自社イメージに合致しているかを見極めるためにも、入居前の内見は慎重に行うことが重要なのです。
新しいオフィスをどのような内装にしたいのか、どのようなオフィス家具を置きたいのかなど、レイアウトをある程度イメージしたうえで内見に臨みましょう。
何もイメージのない状態で内見を始めてしまうと、最低でもどの程度の面積が必要なのか・動線をどこに確保するのか・絶対に必要な設備は何かといった要素が決まらないまま物件を契約してしまい、レイアウトを組む際に苦労することになります。
「来客が多いから手前に応接室・奥に執務室を作りたい」「女性社員が多いからトイレが広い物件を選びたい」など、人の動きや従業員の働きやすさを想像しながらレイアウトを決めておきましょう。
特に旧オフィスから運び込んだり新しく購入したりすると決まっているオフィス家具や什器がある場合は、事前に寸法を測っておくことをおすすめします。
オフィスの内見では、一度に複数の物件を回ることも多いでしょう。どの物件にどのような特徴があるのかを記録し、あとで社内で比較検討できるよう十分な情報を持ち帰ることが重要です。
そのため内見の際には、少なくとも下記の3つを持参することをおすすめします。
カメラ | オフィス室内・共用部・建物の外観・周辺環境を撮影するため。 |
メジャー | 入り口の幅・床の広さ・天井高などの寸法を測るため。 |
オフィスの図面 | 測った寸法を書き込んだり気になる点をメモしたりできるように、あらかじめ印刷しておく。 |
入居後に満足のいく仕事環境を作るためには、短い時間の中でチェックポイントを確実に押さえながら内見することが重要です。ここでは「共用部」「室内」「設備」「その他」の4つの着眼点に分けて、オフィスの内見の際に見ておきたい点について解説します。
建物の善し悪しを判断するには、室内だけでなく共用部もしっかりとチェックすることが重要です。共用部を見る際には、下記のポイントに着目してみましょう。
外観 | ・自社のブランドイメージに合ったデザインか・清掃は行き届いているか・ビルの外観を損ねる |
エントランス | ・雰囲気が自社のイメージに合っているか・24時間出入り可能か・オートロックの有無 |
エレベーター | ・エレベーターの有無・エレベーターの台数・清掃やメンテナンスは十分にされているか |
トイレ | ・男女共用か、男女別になっているか・温水便座がついているか・従業員の人数に対して十分な数があるか |
喫煙所 | ・喫煙所の場所・喫煙所がビルにない場合は、近隣に喫煙スペースがあるかどうか |
共用部を比較することで、建物全体の管理状態を把握することができます。トイレや給湯室といった毎日使用する水廻りがきれいに清掃されているか、壁のひび割れや消えた照明がそのままになっていないかなどをチェックするといいでしょう。特にトイレは設備の新しさだけでなく、男女別になっているかや個室の数によっても快適性が大きく変わってきます。
また外観のデザインやエントランスの雰囲気が、自社イメージに合っているかを考えることも非常に重要です。エントランスの雰囲気はリクルーティングにも影響します。優秀な人材の確保のためには、デザイン性の高さや新しさ・清潔感だけでなく、業種や会社のブランドイメージに合致しているかも重視することで、求職者に「ここで働きたい」と感じてもらえる可能性が高まります。
室内をチェックする際には、大きく分けて下記の3つのポイントを意識しましょう。
柱や梁の位置 | ・予定しているレイアウトの妨げになる位置に柱や梁がないか・天井高に対して梁の部分がどの程度下がっているか |
天井の高さ | ・搬入予定のオフィス家具を入れられるか・十分に高さがあり圧迫感がないか |
窓の大きさや開閉可否 | ・窓の大きさ・方角や日当たり・ブラインドの有無・バルコニーの使用可否 |
オフィスを決める際にはどうしても面積に意識が向きがちです。従業員の多い会社や大きな什器が必要な会社の場合は、できるだけ面積の広いオフィスを借りることが求められるでしょう。一方で、人数が少なく面積はそこまで必要ではないものの、開放感のあるオフィスが欲しい場合は、オフィスの面積よりも天井の高さにこだわったほうがいい場合もあります。
またオフィスビルによってはバルコニーがついている場合もありますが、管理規約でバルコニーに出たり、物を置いたりすることが禁止されているビルもあるため、合わせて確認しておくといいでしょう。
オフィスの賃料には空調や火災報知器、トイレといった設備の料金も含まれるため、内見の際に必ず状態や設置状況を確認しておきましょう。
空調 | ・個別空調か、セントラル空調か・設備の新しさ・清掃は誰がするのか、清掃頻度 |
トイレ(専有部にある場合) | ・温水便座の有無・自社で清掃するのか、清掃業者に依頼できるか |
火災報知機・スプリンクラー | ・設置されているかどうか |
オフィスの空調には、室内に専用の空調設備が設置されている「個別空調」と、ビル全体の空調を一括管理している「セントラル空調」の2つの種類があり、特に「セントラル空調」の物件には注意が必要です。
セントラル空調は一か所で運転状況を管理しているため、稼働する時間帯が限定されていることがほとんどです。「平日の9〜18時のみ」「土曜日は10〜16時のみ」などビルによって異なるため、自社の就業時間帯や曜日と照らし合わせることを忘れないようにしましょう。
また移転後のオフィスでパーテーションの新設を予定している場合は、天井に火災報知機やスプリンクラーといった消防設備が設置されているかどうかを必ず確認しましょう。消防設備があるビルの場合、天井までふさぐパーテーションで部屋を区切ってしまうと、パーテーション内に消防設備を追加で設置する必要があります。設置にかかる費用をテナントが負担しなければならないケースがほとんどのため、知らずに貸室を契約して工事計画を進めてしまうと、予定していたよりも高額な工事費用がかかるケースも少なくないため注意が必要です。
業務効率の高いオフィス環境を整えるために、室内や共用部の状態や設備以外にもチェックしておきたいポイントが2つあります。
①「入居テナント」
同業他社や自社のイメージに合わない業種のテナントが入居しているビルは、入居を避けた方がいいケースも少なからずあるためです。内見時にはビルのエントランスにある館銘板や郵便受けの表示をチェックしておくといいでしょう。
②「ビルの周辺環境」
銀行や郵便局のほか、来客が多い企業の場合はコインパーキングがあると便利です。また飲食店が多い場所のオフィスであれば、毎日のランチの選択肢が広がるため、従業員の満足度アップにもつながるでしょう。
一般的な賃貸住宅の内見とは異なり、オフィスの内見は前の入居テナントの契約期間が残っているうちにおこなうことも多くあります。入居中や工事中の物件を内見する場合、ビルオーナーや不動産会社だけでなく、入居者や工事業者とも調整したうえで内見予約をする必要があり、関係各所との連携が重要になります。
また空室状態の物件を内見する場合であっても、仲介する不動産会社やビルの管理会社は水曜日が定休日であることも多いため、余裕を持ったスケジュールで動く必要があるということは覚えておきましょう。
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不動産会社に仲介を依頼して移転先のオフィスを探す場合、不動産会社以外にも管理会社やビルオーナー・入居者など多くの関係者とスケジュール調整をしなければなりません。
こうした内見時の手間を省くために活用できるのがcocosyです。ビルオーナーと直接やりとりができる、新しいオフィス情報サービスです。
cocosyの大きな特徴の1つに、ビルオーナーが直接物件情報を掲載しているということがあります。
移転先のオフィスを探す際に多く利用される不動産ポータルサイトは、オフィスの仲介をおこなっている不動産会社や管理会社など、サイトに登録した宅地建物取引業者でしか物件情報を掲載できません。そのため気になる物件に問い合わせて内見する際には、必ず窓口である不動産会社を通じて内見しなければなりませんでした。
それに対してビルオーナー自らが物件情報を掲載するcocosyは、チャットを使ってビルオーナーと直接やりとりすることが可能です。内見のための日程調整がスムーズにできるだけでなく、物件の設備状況や仕様、周辺環境などもあらかじめヒアリングしておくことができるため、内見を効率的かつ効果的におこなえます。
さらにオフィスの契約もビルオーナーと直接締結できるため、不動産会社に依頼した際に発生する仲介手数料もかかりません。オフィス移転にかかる費用を上手に抑えながら、理想的な移転先を見つけるのに大いに役立ちます。
オフィス専門のcocosyを活用すれば、内見を通して自社に合ったオフィスを効率的に選ぶことが可能です。
オーナーと直接やりとりできれば、物件の詳細をヒアリングしながらスムーズに内見をおこなえるうえ、信頼関係も築けるため入居後のトラブルにも迅速に対処できるようになります。
オフィスの内見時に重要なポイントをしっかり押さえて、ビジネスを加速させるオフィスに出会いましょう。
内見の際、質問すべきことは?
物件について疑問に思う点を積極的に質問しましょう。
複数の物件を見た場合、どう比較すればよいですか?
内見時にチェックすべき物理的なポイントは何ですか?
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