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敷金(保証金)の償却・仕訳と勘定科目|会計処理と消費税の注意点 | オフィス移転のDXはcocosy

敷金(保証金)の償却・仕訳と勘定科目|会計処理と消費税の注意点 | オフィス移転のDXはcocosy

📅 最終更新:2026.7.1|ライター:cocosy運営局(オフィス移転プラットフォーム「cocosy」運営)

敷金(保証金)の償却・仕訳と勘定科目|会計処理と消費税の注意点 | オフィス移転のDXはcocosy

オフィスの賃貸契約で預ける敷金(保証金)は、支払っただけでは経費になりません。「資産として計上する部分」と「償却されて費用になる部分」を分けて仕訳することが会計処理の基本です。本記事では、敷金(保証金)の仕訳・勘定科目・償却の考え方を、支払時・償却時・返還時の具体例つきで整理します。あわせて、実務でつまずきやすい敷金償却の税務上の取り扱い(20万円ルール・償却期間)消費税の課否まで、中小企業・個人事業主の経理担当者にも分かりやすく解説します。

なお、敷金は移転の初期費用のなかでも金額が大きい項目です。移転全体でどんな費用がいつ発生するかは、オフィス移転の初期費用の基礎知識と勘定科目を解説した記事もあわせてご覧ください。

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敷金(保証金)とは?会計処理の前に押さえる基礎

オフィスの敷金・保証金の会計処理を解説

敷金(保証金)の意味

敷金(保証金)は、賃貸借契約の際に借主が貸主に預けるお金です。賃料の未払いや、退去時の原状回復・物件の損傷に備えた「担保」の役割を持ちます。オフィスの賃貸では、住宅よりも高額で、賃料の6〜12か月分が相場です。契約終了時に、未払い賃料や原状回復費用などを差し引いた残額が返還されます。

会計・税務のポイントは、敷金(保証金)が原則として「預けているだけ=返ってくる資産」であるという点です。そのため、支払った時点では費用(損金)にはならず、差入保証金という資産の勘定科目で計上します。

敷金・保証金と礼金の違い

敷金(保証金)と混同しやすいのが礼金です。両者は返還の有無が異なり、会計処理も変わります。

敷金(保証金)礼金
返還原則あり(一部償却あり)なし
勘定科目差入保証金(資産)繰延資産(長期前払費用など)
費用化償却・返還不能が確定した分のみ賃借期間で償却

礼金は貸主へのお礼で戻ってこないため、支払時から費用化(繰延資産として償却)します。一方、敷金は返還が前提なので、まずは資産に計上するのが原則です。

敷引・敷金償却とは

「敷引」「敷金償却」とは、契約により敷金(保証金)の一部が返還されない取り決めのことです。関西では「敷引」、オフィス賃貸では「保証金償却」「敷金償却」と呼ばれることが多く、契約書に「保証金の20%を償却する」などと明記されます。この償却分は退去時ではなく契約時点で返還されないことが確定しているため、税務上の費用計上のタイミングに注意が必要です(詳しくは後述)。

敷金(保証金)の仕訳|支払時・償却時・返還時

敷金・保証金の仕訳(支払時・償却時・返還時)

敷金(保証金)の仕訳は、①支払った時 ②償却された時 ③返還された時 の3場面に分けて考えると整理しやすくなります。使う勘定科目は主に「差入保証金(資産)」「敷金償却(費用)」「現金・普通預金」です。

①敷金(保証金)を支払った時の仕訳

支払った敷金は、返還される資産として差入保証金で計上します。費用として一括計上はしません。

借方:差入保証金 〇〇〇円 / 貸方:普通預金 〇〇〇円

②敷金(保証金)が償却される時の仕訳

契約で償却(返還されないこと)が確定している分は、敷金償却として費用に振り替えます。差入保証金という資産が、その分だけ減少します。

借方:敷金償却 〇〇〇円 / 貸方:差入保証金 〇〇〇円

③敷金(保証金)が返還された時の仕訳

退去時に返還を受けたら、差入保証金(資産)を取り崩し、現金・預金の増加として処理します。

借方:普通預金 〇〇〇円 / 貸方:差入保証金 〇〇〇円

具体例:保証金20万円・償却5万円・返還15万円のケース

例:20万円の保証金を支払い、契約に基づき5万円が償却され、退去時に15万円が返還されたケース

〇支払時の仕訳

  • 借方:差入保証金 200,000円
  • 貸方:普通預金 200,000円

〇償却時の仕訳(償却が確定したタイミング)

  • 借方:敷金償却 50,000円
  • 貸方:差入保証金 50,000円

〇返還時の仕訳

  • 借方:普通預金 150,000円
  • 貸方:差入保証金 150,000円

この一連の流れで、差入保証金(資産)は「20万円→15万円→0円」と減っていき、償却分の5万円だけが費用になります。返還された15万円は損益に影響しません(資産が現金に変わっただけ)。

敷金償却の税務|勘定科目・繰延資産・20万円ルール

敷金償却の勘定科目と繰延資産の税務処理

敷金(保証金)そのものは資産(差入保証金)ですが、実務で判断に迷うのが償却される部分の税務処理です。返還されない償却分は、税務上「賃借に関する権利金等」=繰延資産に該当し、金額によって費用にできる時期が変わります。

敷金償却の費用計上タイミング(繰延資産)

  • 償却額が20万円未満 … 支出した事業年度に全額を損金算入できる
  • 償却額が20万円以上賃借期間で均等償却(賃借期間が5年超、または定めがない場合は5年で償却)

たとえば償却額が18万円なら支出年度に一括で費用化できますが、60万円で賃借期間が6年なら「5年で均等償却(年12万円)」となります。会計上は「長期前払費用」などで資産計上し、決算で毎期償却していくのが一般的な処理です。金額が大きいオフィスの保証金償却では、この判断が損益に効いてくるため注意しましょう(根拠:国税庁タックスアンサーNo.5460 建物を賃借するための権利金等)。

差入保証金の勘定科目(資産計上する部分)

返還される予定の敷金(保証金)は、差入保証金で処理します。1年を超えて返還されない(=退去まで預けたまま)ことが通常なので、貸借対照表では固定資産の「投資その他の資産」に区分するのが原則です。金額が大きいと資金繰りに影響するため、複数拠点を借りている企業は総額の把握も欠かせません。

原状回復費用との関係

退去時には、敷金から原状回復費用が差し引かれて返還されるのが一般的です。原状回復費用は修繕費などで費用計上します(内容によっては資産計上になる場合もあります)。原状回復は金額が読みにくく、返還額を左右する要素なので、契約時に負担範囲を確認しておくことが重要です。オフィス内装にかかる費用の考え方は、内装工事費の相場と耐用年数を解説した記事も参考になります。

敷金(保証金)と消費税の取り扱い

敷金・保証金と消費税の課税・非課税

敷金(保証金)の消費税は、「返還される部分」と「返還されない(償却)部分」で扱いが分かれます。

  • 返還される敷金・保証金 … 預り金の性質で対価性がないため、消費税の課税対象外(不課税)
  • 返還されない償却部分(事務所・店舗) … 建物を使う対価とみなされ、消費税の課税対象(課税仕入れになる)

ポイントは、事業用(オフィス・店舗)の償却部分は課税、住宅用は非課税という点です。オフィスの保証金償却は課税仕入れとして仕入税額控除の対象にできるため、償却が確定したタイミングで消費税区分を正しく設定しましょう。判断に迷う場合は顧問税理士に確認するのが確実です。

賃貸契約書で確認すべき敷金(保証金)のポイント

賃貸契約書で確認する敷金・保証金の条項

正しい会計処理は、契約書の内容を正確に把握することから始まります。オフィスの賃貸借契約書では、次の点を必ず確認しましょう。

  • 保証金・敷金の金額(賃料の何か月分か)
  • 償却(敷引)の有無と割合(「保証金の○%を償却」などの記載)
  • 返還の時期と条件(退去後○か月以内、原状回復完了後 など)
  • 原状回復の負担範囲(借主負担の範囲・スケルトン返しの有無)
  • 賃料滞納時の充当(保証金をどう充てるか)

特に「償却の有無・割合」は、費用計上のタイミングと金額を左右する重要項目です。契約前に条件を交渉できるケースもあります。契約全般で見落としやすいポイントは、オーナーと直接契約するメリットを解説した記事や、途中解約のリスクをまとめたオフィス賃貸の中途解約の記事もあわせてご確認ください。

まとめ|敷金(保証金)の会計処理で押さえる3点

敷金・保証金の会計処理まとめ

敷金(保証金)の会計処理は、次の3点を押さえれば大きく間違えることはありません。

  1. 支払った敷金は「差入保証金」で資産計上(支払時は費用にしない)
  2. 返還されない償却分だけが費用。20万円未満は一括損金、20万円以上は賃借期間(最長5年)で償却
  3. 消費税は「返還分=不課税/事業用の償却分=課税」で区分する

敷金は移転コストのなかでも初期に大きく資金が出ていく項目です。物件条件や保証金の設定は、探し方しだいで変わります。cocosyなら、条件を登録して待つだけでビルオーナーから直接提案が届くため、余計な費用を抑えたオフィス探しが可能です。移転費用の全体像は初期費用の記事、賃料を抑える交渉材料はフリーレントの記事もご覧ください。

FAQ 敷金(保証金)の会計処理・仕訳のよくある質問

敷金・保証金の会計処理FAQ

敷金(保証金)は経費になりますか?

支払った敷金(保証金)そのものは経費になりません。返還される資産として「差入保証金」で計上します。経費(費用)になるのは、契約で返還されないことが確定した「償却分」だけです。

敷金償却の勘定科目は何を使いますか?

資産計上する部分は「差入保証金」、費用に振り替える償却部分は「敷金償却」(または長期前払費用の償却)を使います。返還時は差入保証金を取り崩し、現金・預金で受け取ります。

敷金償却はいつ費用にできますか?

償却額が20万円未満なら、支出した事業年度に全額を損金算入できます。20万円以上の場合は繰延資産として、賃借期間(5年超または定めがない場合は5年)で均等償却します。

敷金・保証金に消費税はかかりますか?

返還される敷金・保証金は不課税です。返還されない償却部分は、事務所・店舗など事業用であれば消費税の課税対象になります(住宅用は非課税)。オフィスの償却分は課税仕入れとして仕入税額控除の対象にできます。

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