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オフィスノウハウ

オフィスの電気容量は足りる?確認方法と増設の注意点を解説

オフィスの電気容量は足りる?確認方法と増設の注意点を解説

ライター:小堀恵一(株式会社Lexi/オフィス移転プラットフォーム「cocosy」運営)

この記事を書いた人

小堀恵一(株式会社Lexi 代表取締役)

小堀恵一(株式会社Lexi 代表取締役)

オフィス移転プラットフォーム「cocosy」運営

東京都立大学経済学部卒業。2009年よりオフィス移転の現場に携わり、リクルート・エムスリー・DeNAなど大手企業の移転を担当。2018年に株式会社Lexiを設立し、不動産デベロッパー向けの物件紹介VR事業を大手各社に導入・定着させたのち事業を売却。物件情報の流通の非効率と情報の非対称性を解消するため、2022年からオフィス移転プラットフォーム「cocosy」を立ち上げ、運営中。3人の子どもの父。

X(旧Twitter):@kobo_lexi

オフィス移転の物件選びで、賃料や立地に比べて圧倒的に見落とされやすいのが「電気容量」です。内見のときには見えにくく、入居して機器を並べてから「ブレーカーが落ちる」「テレカンブースや電子レンジを増やせない」と気づく——そんな後悔が起きやすいポイントです。しかも電気容量の増設は簡単ではなく、ビルによってはそもそも増やせないこともあります。

本記事では、オフィスに必要な電気容量の考え方、内見・契約前の確認方法、増設する場合の注意点を解説します。

オフィスの電気容量とは?2つの「容量」を区別する

オフィスの電気容量を考えるときは、2つのレベルを区別する必要があります。

  • 区画(専有部)の容量……借りるフロア・区画に割り当てられた電気の上限。分電盤のブレーカー容量で決まる
  • 建物全体の容量……ビル全体で使える電気の上限。受変電設備(キュービクルなど)の能力で決まる

重要なのは、区画の容量が足りない場合でも、建物全体の容量に余裕がなければ増設できないという点です。「工事すれば増やせるでしょ」と思っていたら、ビル側の設備の上限で不可能だった、というケースが実際にあります。電気容量は「あとから何とかする」が効きにくい設備なのです。

必要な電気容量の目安

一般的なオフィスビルでは、OA機器用のコンセント容量として1㎡あたり30〜50VA程度(坪あたりおよそ100〜165VA)が確保されていることが多いといわれます。一般的な事務作業が中心のオフィスであれば、この水準でおおむね足ります。

ただし、次のような使い方をする場合は、標準的な容量では不足する可能性が出てきます。

  • 社内にサーバーや大型の複合機を複数台置く
  • テレカンブース(防音ブース)を複数台導入する(空調・換気で常時電力を使う)
  • 電子レンジ・冷蔵庫・コーヒーマシンなどリフレッシュ設備を充実させる
  • 検証機材・撮影機材など、業務用の電気機器が多い

移転を機にテレカンブースや家電を一気に増やす企業は多く、「人数は同じでも、前のオフィスより電気を使う」のが最近の傾向です。いまのオフィスの契約容量と電気使用量を確認したうえで、増える分を上乗せして見積もっておきましょう。電気代の相場についてはオフィスの電気代の相場を解説した記事も参考になります。

内見・契約前に電気容量を確認する方法

①分電盤とブレーカーの容量を見る

内見のときに、区画内の分電盤(ブレーカーの箱)を開けて主幹ブレーカーのアンペア数を確認します。見方が分からなければ、写真を撮っておき、内装会社や電気工事会社に見てもらうだけでも十分です。

②管理会社・オーナーに書面で確認する

「この区画で使える電気容量はいくつか」「増設は可能か、可能な場合の上限はいくつか」を、管理会社またはオーナーに確認します。募集図面に「電気容量◯VA/㎡」と記載されていることもありますが、増設可否までは書かれていないことが多いため、口頭ではなくメールなど記録が残る形で確認しておくのが安心です。

「オーナーに確認する」を、その場でできます
cocosyは気になった区画についてオーナーへ直接質問でき、やり取りはそのまま記録として残ります。

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仲介会社を挟まないので、電気容量のような細かい確認も回答が早く届きます

③使う機器のリストから必要量を積み上げる

正確に見積もるなら、移転後に使う電気機器を洗い出し、消費電力を合計して必要容量を積み上げます。この作業は内装会社が電気設備の設計と一緒にやってくれるので、プランニングの早い段階で「機器リスト」を渡しておくとスムーズです。

電気容量を増設する場合の注意点

増設工事はB工事になりやすい

電気の幹線や分電盤に手を入れる工事は建物設備に関わるため、多くのビルで「B工事」(費用はテナント負担・業者はオーナー指定)の扱いになります。指定業者制のため相見積もりで価格を下げにくく、費用が高くなりやすい点に注意が必要です。B工事の仕組みはオフィスのB工事とは?費用が高くなる理由を解説した記事で詳しく解説しています。

間仕切り工事とセットで電気の分岐工事が発生する

会議室などを天井まで間仕切りでつくる場合、区画ごとに電気設備の分岐工事が必要になります。容量の増設とあわせて、レイアウト設計の段階で電気工事の全体量を把握しておくと、見積のブレを抑えられます。

退去時には原状回復の対象になる

増設した電気設備は、退去時に元へ戻す原状回復工事の対象になるのが原則です。増設の初期費用だけでなく、数年後の退去費用まで含めて判断しましょう。詳しくはオフィスの原状回復費用の相場を解説した記事をご覧ください。

まとめ|電気容量は「物件選びの段階」で確認する

オフィスの電気容量は、入居後に困っても増設できるとは限らず、増設できても費用が高くなりやすい設備です。だからこそ、確認のタイミングは物件選びの段階がベスト。内見で分電盤を確認し、管理会社に容量と増設可否を書面で確認し、使う機器のリストで必要量を積み上げる——この3ステップで、入居後の「電気が足りない」を防げます。

増設せずに済む区画を選ぶ、という手もあります
内装や設備が整った状態の区画なら、電気工事そのものを抑えられます。

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