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シェアオフィスから専用オフィスへ移るタイミングと判断基準

シェアオフィスから専用オフィスへ移るタイミングと判断基準

シェアオフィスやレンタルオフィスで事業を立ち上げて、メンバーが増えてきた。来客も増えてきた。「そろそろ専用オフィスに移るべき?」——多くの会社が一度は通る悩みです。

この記事では、シェアオフィスから専用オフィスへ移るタイミングの目安と、判断基準を整理します。人数と面積の考え方、費用の分岐点、許認可の問題、そして「決めてから入居までにかかる期間」まで、オフィス移転プラットフォーム「cocosy」の実データを交えて解説します。

ガラス張りの区画が並ぶモダンな専用オフィスの内観

シェアオフィスから専用オフィスへ、移るきっかけは3つ

実際に移った会社の話を聞くと、きっかけはおおむね次の3つに集約されます。

  • 人数が増えて席が足りなくなった——個室プランの増床を繰り返すうち、費用も手間も見合わなくなってくる
  • 来客・商談が増えた——共用の会議室では予約が取りづらく、お客様を自社の空間に迎えられない
  • 許認可やセキュリティの要件が出てきた——新規事業の免許取得や、情報管理の体制構築で専用区画が必要になる

cocosyで成約したSolarium様も、シェアオフィスから専用オフィスへ移った1社です。移転後の変化として「商談がしやすくなった」だけでなく、「許認可の関係でできなかった新規事業が可能になった」ことを挙げています。詳しくはSolarium様の移転インタビューをご覧ください。

シェアオフィスのオープンスペースで働く人たち

判断基準①:人数と面積——1人あたり1.5〜3坪が目安

専用オフィスの広さは「1人あたり何坪」で考えます。目安は次のとおりです。

  • 一般的な企業:1人あたり2〜3坪
  • スタートアップ(席をコンパクトに詰める場合):1人あたり1.5〜2坪

人数別に必要な広さを整理すると、次のようになります。

人数スタートアップ型(1.5〜2坪/人)一般企業型(2〜3坪/人)
5人約8〜10坪約10〜15坪
10人約15〜20坪約20〜30坪
20人約30〜40坪約40〜60坪
30人約45〜60坪約60〜90坪

シェアオフィスの個室は1〜10名程度の区画が中心なので、10名を超えたあたりから「専用オフィスも含めて比較する」段階に入ります。1年後・2年後の採用計画も踏まえて、少し余裕のある広さで考えるのがコツです。増員計画と広さの考え方はスタートアップ企業のオフィスの選び方でも詳しく解説しています。

判断基準②:月額費用の分岐点

シェアオフィスの個室プランは、1席あたり月数万円〜が一般的です。人数が増えるほど「席数×単価」で費用が積み上がっていきます。

一方、専用オフィスの賃料は「坪単価×坪数」です。たとえば坪単価2.5万円のエリアで10人・20坪のオフィスを借りると、賃料は月50万円(+共益費)。1人あたり月5万円です。シェアオフィスの個室で1席あたりの負担がこの水準を超えてきたら、専用オフィスと比較する価値があります。

ただし専用オフィスには、賃料のほかに初期費用(敷金・保証金、内装費など)がかかります。cocosyに掲載されている8,914区画の実データでは、敷金の平均は7.4ヶ月分、最も多いのは12ヶ月分でした(敷金0円の区画も8%あります)。詳しくはオフィスの保証金・敷金は何ヶ月分が相場?をご覧ください。

ちなみにシェアオフィスの場合には、敷金は1~3か月程度で済むことが一般的です。

判断基準③:許認可・登記・セキュリティ

費用や広さより先に、こちらが決め手になるケースもあります。

  • 許認可:有料職業紹介(人材紹介業)のように、プライバシーを保護できる区画や施錠保管を求められる免許があります。フリーデスクやコワーキングのみの契約では取得が難しいケースが多く、専用区画への移転が事実上の条件になることも。詳しくは人材紹介業を始めるオフィスの要件で解説しています
  • セキュリティ・情報管理:取引先とのNDAや、プライバシーマーク・ISMSの取得を進めると、執務エリアの入退室管理や書類の施錠保管が求められ、共用スペース中心の環境では対応しづらくなります
  • 社会的信用・採用:自社の住所・自社の空間を持つことが、採用や与信の場面でプラスに働くことがあります
ガラス張りの会議室。来客や商談に使える専用スペースのイメージ

移るタイミング:専用オフィスは「決めてから入居まで」に時間がかかる

シェアオフィスは契約すればすぐ使えますが、専用オフィスはそうはいきません。

  1. 物件探し〜契約:1〜2ヶ月
  2. 内装のプランニングと工事:コンパクトなオフィスでも2ヶ月以上
  3. ネット回線の手配:現地調査が1ヶ月先になることもあり、開通まで2ヶ月かかるケースも(オフィスのネット回線は移転前にどう手配する?
  4. 現在のシェアオフィスの解約予告:1〜2ヶ月前の通知が多い(契約により異なります)

これらは並行して進むものの、トータルでは「移りたい時期の3〜6ヶ月前」に動き始めるのが安全です。「席が足りなくなってから探す」と、割高な選択や妥協した物件選びになりがちです。逆に言えば、早く動くほど内装や条件を冷静に比較検討できます。

「まだ検討段階」でも、相場を眺めておくと判断が早くなります
cocosyなら気になった区画について、オーナーへ直接質問できます。

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まとめ:3つの基準のどれかに当てはまったら、比較を始めるサイン

シェアオフィスから専用オフィスへ移る判断基準は、次の3つです。

  • 人数と面積:10名を超えたら比較開始。必要な広さは1人あたり1.5〜3坪で計算
  • 費用:1席あたりの負担が、専用オフィスの「1人あたり賃料」を超えてきたら分岐点
  • 許認可・セキュリティ:免許や情報管理の要件が出てきたら、費用に関係なく検討のタイミング

そして専用オフィスは入居までに3〜6ヶ月かかります。「移るかどうか迷い始めた時」が、情報収集を始めるベストタイミングです。

専用オフィスへの移転を検討し始めた方へ
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ライター:小堀恵一(株式会社Lexi/オフィス移転プラットフォーム「cocosy」運営)

この記事を書いた人

小堀恵一(株式会社Lexi 代表取締役)

小堀恵一(株式会社Lexi 代表取締役)

オフィス移転プラットフォーム「cocosy」運営

東京都立大学経済学部卒業。2009年よりオフィス移転の現場に携わり、リクルート・エムスリー・DeNAなど大手企業の移転を担当。2018年に株式会社Lexiを設立し、不動産デベロッパー向けの物件紹介VR事業を大手各社に導入・定着させたのち事業を売却。物件情報の流通の非効率と情報の非対称性を解消するため、2022年からオフィス移転プラットフォーム「cocosy」を立ち上げ、運営中。3人の子どもの父。

X(旧Twitter):@kobo_lexi