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セットアップオフィスとは?オフィス移転前に知っておきたい賃料差と損益分岐点

セットアップオフィスとは?オフィス移転前に知っておきたい賃料差と損益分岐点

📅 2026年7月版 2026.7.6(相場データは毎月更新しています)|ライター:cocosy運営局(オフィス物件プラットフォーム「cocosy」運営)

オフィス移転の内装をどうするかを検討する中で、「セットアップオフィス」と「一般物件」のどちらを選ぶべきか迷う担当者の方は多いのではないでしょうか。セットアップオフィスは内装工事の手間を省いて初期費用を抑えられる一方、賃料は一般物件より高くなる傾向があります。

本記事では、cocosyが保有する募集区画データ(9,469件)をもとに、セットアップオフィスと一般物件の坪単価差を実データで検証し、自社で内装工事をした場合との損益分岐年数まで試算します。

セットアップオフィスとは

セットアップオフィスとは、内装工事・OAフロア・照明・什器などがあらかじめ整った状態で入居できるオフィス物件のことです。契約後すぐに業務を開始できるため、内装工事の手間や工期を待つ必要がありません。

一方、「一般物件」は床・壁・天井・照明・空調などの基本的な設備は整っているものの、間仕切りや会議室・エントランスといった内装部分は自社で工事を行う前提のオフィスです。天井部分の仕上げ方については、以下の記事でも詳しく解説しています。

参考: スケルトン天井とは?オフィス選び、照明設置等の注意点も解説

セットアップオフィスは「初期費用を抑えてすぐに動きたい」企業に向いており、一般物件は「自社らしいオフィスを作り込みたい」「長期利用を前提に初期投資を回収したい」企業に向いている、というのが一般的な使い分けです。ただし、この判断には賃料差の実態を把握しておく必要があります。

セットアップと一般オフィスの賃料差はどれくらい?

cocosyの募集区画データ(9,469件のうち、賃料が数値で把握できた3,559件を分析対象)で、セットアップ有無別の平均坪単価を比較すると、以下のようになりました。

セットアップ有無平均坪単価中央値件数
セットアップ有36,023円/坪28,466円/坪272件
セットアップ無17,717円/坪15,783円/坪3,287件

平均で見ると、セットアップオフィスの坪単価は一般物件のほぼ2倍(+103.3%)です。中央値でも+12,683円/坪の差があり、外れ値の影響を除いても大きな差があることが分かります。

エリアごとの相場水準については、以下の記事もあわせてご確認ください。

参考: 都内オフィスの坪単価について解説!移転先を探す際のポイントとは

面積が小さいほど賃料差が大きい

坪単価差は面積帯によっても傾向が異なります。面積レンジ別に平均坪単価を集計すると、以下のようになりました。

面積レンジセットアップ有セットアップ無差率
〜10坪73,636円25,131円+193.0%
10〜20坪42,342円18,249円+132.0%
20〜30坪28,010円16,812円+66.6%
30〜50坪28,781円16,444円+75.0%
50〜100坪26,183円17,294円+51.4%
100坪以上34,119円18,805円+81.4%

傾向として、面積が小さくなるほどセットアップオフィスの坪単価プレミアムが大きくなっています。少人数のスタートアップやサテライトオフィスなど、小規模区画を検討している企業ほど、「セットアップだから割高に見える」構造に注意が必要です。

セットアップオフィスが多いエリアはどこ?

cocosyの募集データを物件(建物)単位で集計し、セットアップオフィスを扱う物件数が多いエリアを見てみると、以下のような結果になりました(区画単位ではなく、1物件でも該当区画があれば「セットアップ有物件」としてカウントしています)。

物件数セットアップ有物件数セットアップ比率
淡路町42棟11棟26.2%
馬喰町60棟10棟16.7%
築地70棟9棟12.9%
半蔵門56棟9棟16.1%
人形町80棟9棟11.2%

これらのエリアは、いずれもセットアップオフィスの選択肢が比較的見つけやすいエリアといえます。都心の他エリアとの相場比較は、以下の記事も参考にしてください。

参考: 東京都心オフィス賃料相場マップ|32エリア比較

なお、区画単位で見ると、セットアップオフィスの面積は中央値で37.25坪程度に集中しており、一般物件の中央値(35.87坪)とほぼ同水準です。ただし一般物件には数百坪クラスの大型区画も含まれるため平均値は押し上げられており、実態としてはセットアップオフィスは中小規模の区画に多く見られる傾向があります。

自社で内装工事した場合との損益分岐点

「賃料の高いセットアップオフィスと、自社で内装工事をする一般物件、どちらが結果的に得なのか」は、内装工事費用と入居予定期間によって変わります。

ここでは内装工事費用を坪単価40万円・50万円の2パターンで試算します。計算式は以下の通りです。

損益分岐年数 = 内装工事費用(坪単価) ÷ (セットアップとの坪単価差(月額) × 12)

全体での損益分岐年数

坪単価差18,306円/坪(月額)をもとに試算すると、以下の年数で自社内装の方が得になる計算です。

  • 内装工事費40万円/坪の場合: 1.8年
  • 内装工事費50万円/坪の場合: 2.3年

面積帯別の損益分岐年数

面積レンジ坪単価差(月額)40万円/坪の場合50万円/坪の場合
〜10坪48,504円0.7年0.9年
10〜20坪24,093円1.4年1.7年
20〜30坪11,198円3.0年3.7年
30〜50坪12,337円2.7年3.4年
50〜100坪8,889円3.7年4.7年
100坪以上15,314円2.2年2.7年

目安として、入居予定期間がこの年数を上回りそうであれば自社で内装工事をした方がトータルコストは抑えられ、下回りそうであればセットアップオフィスの方が結果的に得になる可能性が高いといえます。特に小規模区画(〜20坪)は1〜2年程度で回収できる計算になるため、短期的な利用でもセットアップオフィスの経済合理性が相対的に高い一方、20〜100坪の中規模区画では3〜5年程度の腰を据えた入居を見込めるかどうかが判断の分かれ目になります。

内装工事費用そのものの内訳・相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考: オフィス移転時の内装費用はどれくらいかかる?工事の項目や流れ、費用相場などを解説

まとめ:移転検討時にどう選ぶべきか

セットアップオフィスと一般物件、どちらを選ぶべきかは、主に以下の3点で判断するのがおすすめです。

  • 入居予定期間: 短期(数年以内)ならセットアップ、長期(5年以上を見込むなら)自社内装が有利になりやすい
  • 初期費用の資金余力: まとまった内装工事費用を用意できるかどうか
  • 退去時の原状回復コスト: 自社で内装した場合、退去時の原状回復費用も見込んでおく必要がある

オフィス移転は内装以外にも検討・準備すべきことが数多くあります。移転全体の流れやタスクについては、以下の記事でスケジュールを確認できます。

参考: 【資料ダウンロード付き】オフィス移転のスケジュール&タスク完全ガイド

cocosyでは、オーナーと直接つながることで仲介手数料が無料〜大幅削減になる仕組みで、セットアップオフィス・一般物件どちらの募集情報も掲載しています。移転先の比較検討に、ぜひご活用ください。

よくある質問

セットアップオフィスと一般物件の違いは何ですか?

セットアップオフィスは内装工事・OAフロア・照明・什器などがあらかじめ整った状態で入居できる物件です。一般物件は床・壁・天井・照明・空調などの設備は整っていますが、間仕切りや内装部分はテナント自身が工事を行う前提の物件です。

セットアップオフィスの賃料は一般物件よりどれくらい高いですか?

cocosyの募集区画データでは、セットアップオフィスの平均坪単価は一般物件のほぼ2倍(+103.3%)でした。特に面積が小さい区画ほど、この差は大きくなる傾向があります。

自社で内装工事をした場合、何年で元が取れますか?

内装工事費用を坪単価40万円と想定した場合、全体平均では約1.8年、50万円の場合は約2.3年で自社内装の方が得になる計算です。面積帯によって差があり、小規模区画ほど短期間で回収できます。

セットアップオフィスが見つかりやすいエリアはどこですか?

cocosyのデータでは、淡路町・馬喰町・築地・半蔵門・人形町などのエリアで、セットアップオフィスを扱う物件数が多い傾向がありました。

データについての注記

本記事の分析は、cocosyの募集区画データ9,469件のうち、賃料が数値データとして取得できた3,559件(全体の37.6%)を対象としています。残りは坪単価が「3万円台半ば」等のテキストのバケット表記のみで、数値化ができないため分析対象から除外しています。

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